操体とは

操体とは

『操体』あるいは『操体法』とは、昭和16〜23年頃、仙台におられた医師である橋本敬三先生が、鍼灸をはじめとする東洋医学や様々な民間療法、ストレス説などの西洋医学を学び、体は気持ち良さで元の状態へ戻るように出来ているという根本原理に気付き、まとめたモノです。

腰痛などに代表されるカラダの痛み等、痛い事をせずに痛くない方、楽な方へ動かして改善していく療法として、自分で出来るバランス調整法として全国に広がっています。
しかしそれは操体の一側面でしかありません。
根本的には自分のカラダと上手に対話して健康に生きていく為の法則を説いているのが操体(あるいは操体法)なのです。

操体の特長

世間には様々な民間療法がありますが、操体のもっとも大きな特徴は「気持ちよさでバランスを回復する」ということでしょう。

多くの療法は術者が外から刺激を与え矯正や調整をしていきます。
しかし、操体には術者が矯正や調整をするという考え方はありません。

体は誰かに治してもらわなくても、自分でバランスを回復するようにはじめから設計されているのです。
せっかく自分で戻せるように出来ているのですから、他人である施術者が余計なことをする必要はないと操体では考えています。 自分で回復するためのキーワード、それが「体にゆだね、気持ちよさを味わう」ということなのです。

気持ちよさ(快感覚)

息食動想プラス環境回復のためのキーワード、更に言えば「快適に生きていくためのキーワード」が気持ちよさ(快)です。

気持ちよく呼吸する(息)。気持ちよく食べる(食)。気持ちよく活動する(動)。気持ちよく想う(想)。
体が求める気持ちよさを素直に味わう事が、体のバランスを回復させ快適に生きていくことに繋がるのです。

ここに挙げた4つの項目「 息・食・動・想 」を操体では健康に生きていくための基本原則と呼んでいます。
健康に生きていくために必要なことはたくさんありますが、最低限自分自身の責任でやらなければいけないこととして、この4つのバランスを上手にとっていくことが必要なのです。

◆こちらも参考にどうぞ気持ちよさって何?健'sNote

体の声(感覚)を聞き、素直にゆだねる

体は言葉を話しません。
しかし感覚という言葉で、いつもあなた(意識)に語りかけているのです。

「気持ちよさ(快)」や「痛み等の不快感」というは、体がバランスをとるために必要としている声(感覚)なのですが、とかく体の痛みというのは嫌われ者・悪者扱いされてしまいます。
しかし、「不快」という感覚は、体の変化や危険を教えてくれるとても大事な感覚であり、むしろあなたの一番の味方なのです。

気持ちよさ(快)や痛み(不快)という感覚の事を操体では原始感覚と呼んでいます。様々な感覚や感情も突き詰めていくと快か不快かに行き着きます。
原始感覚とは生き物として必要なモノと必要でないモノを選択する、もっとも原始的な感覚であり、シンプルで根元的な体からの声なのです。

そんな体の声と上手に対話をしながら命を営む事が、生き物としての自然な姿です。

気持ちよさの種類

操体で一番重要なキーワードである「気持ち良さ」。 しかし気持ちよさなら何でも良いと言うことではないのです。

人は動物に比べ大脳が発達しているため、色々なことを頭で考えて判断しています。
動物たちは当たり前に体と対話をしていますが、人間の場合は体で感じたことを素直に聞けずに、頭で考えたことを優先させてしまう傾向にあるのです。
体で感じる気持ちよさと脳で感じる気持ちよさを区別することが難くなっています。

操体でいう気持ちよさとは、脳で感じるものではなく、体で感じている気持ちよさを指しています。

その違いを説明するのは難しいのですが、脳で感じる気持ちよさは「刺激」や「欲」といった要素が強く、体で感じる気持ちよさは命そのものが要求している感覚と言えるでしょう。

ある意味で賢くなってしまった人間ですが、基本的には犬や猫と同じ動物であることに変わりはありません。そんな動物として自然な姿に立ち返り、体で感じるということを思い出せば気持ちよさの種類を聞き分けることは実はそれほど難しいことではないのです。

操体の施術について

原始感覚にゆだね、気持ち良さを味わう。それが操体の目的です。
それは臨床に於いてもそのままあてはまります。
操体は施術者が矯正やマッサージをすることはありません。
その方の体が回復のために要求してくる「感覚・気持ち良さ」を体全体で味わっていきます。

施術者の役割

操体の臨床において、術者(操者と言います)はご本人の体と対話をしながら、気持ちよさを自然に味わえるようにお手伝いをしていきます。

◆効果効能

操体ではこの症状にはこの操法といった対症療法的な発想はありません。 様々な痛みの原因は全身のバランスが消失した結果なのですから行う事はただ一つ、体を本来の状態へ戻すということだけ。本来の状態へ戻してあげる事で様々な症状は消失していきます。

操体は対症療法的なものではなく、骨格構造から来るすべての症状を対象としています。

★様々な症状の改善
椎間板ヘルニア・腰椎すべり症・坐骨神経痛・ギックリ腰・ムチウチ・頭痛・肩こり・五十肩・四十肩・膝痛・足首の痛み・肋間神経痛・慢性疲労...etc
★動きの改善
体の柔軟性の向上・姿勢の改善・スポーツ等の動きの向上・武道武術の動きの向上・日常生活における動きの向上...etc
★リラクゼーション
精神的ストレス・疲労感

◆どんなことをするの?

人の体は痛くない方、楽な方、動きやすい方、気持ちが良い方へ動いていくとバランスが戻るように設計されています。 操体の臨床では、その原理に基づき痛みのある動きや動きにくい方向からそうでない方向へゆっくり動き、一番心地の良い所でタワメ(ため)、感覚を十分に味わった後、全身の力をほどくというやり方がもっとも一般的な操法として行われています。

動くと言っても体操のように激しく動くわけではありません。力はほとんど入れずに、ゆっくりと水面に波が立たないくらいの早さで動いてみます。 難しい動きではなく「伸ばす・縮める・曲げる・回す」といった簡単な動きを無理のない範囲の中で全身で表現し、感覚を通していきます。
普通では施術者が触れる事のできない体の内部へも全身が連動する事によってアプローチする事が可能です。

また目に見える動きの他に、体の流れを促したり、自分では動かせない皮膚へのアプローチなどで感覚を通す操法なども行います。

例:足首を曲げてみる

爪先を上げていくという何気ない動きの中で体が味わってみたい感覚の有無を聞き分けて味わうだけ。これだけの事で体はバランスを十分に回復していくのです。

無理な動き、体が嫌がる動きをするのではなく、ゆっくりと自分の動ける範囲でしか動かないので、赤ちゃんからお年寄りまでどなたにも安心して行える施術です。

★操体をさらに詳しく知りたい方は操体その2へどうぞ